
**カナダ、米国関税脅威に対抗するためEUとの関係強化を模索**
米国の関税政策の影響を受けているカナダは、米国以外の貿易関係の拡大に乗り出しています。特に、カナダの主要な貿易相手国であるEUとの経済的絆を強化することが焦点となっています。2月8日、カナダの輸出促進、国際貿易・経済発展相である伍鳳儀氏は、EUとの経済協力をさらに深める必要があると述べました。EUとの自由貿易協定が既に存在する中、カナダは自国企業のEU市場進出を支援し、逆にEU企業のカナダ進出も促しています。
伍鳳儀氏は、重要な鉱物と小企業がこの協力の中心になるとの見解を示しました。これに伴い、彼女はEU貿易担当のマロス・セフコビッチ氏と会談し、2021年に締結した原材料パートナーシップを基に関係を強化する方向性を確認しました。カナダのジャスティン・トルドー首相は、同国の豊富な鉱物資源が米国の関心を集めている理由であると語りました。
カナダはコバルト、黒鉛、リチウム、ニッケルといった重要な鉱物の豊富な資源を有し、特に電池や電気自動車の製造において重要です。また、カナダはニオブとインジウムの主要生産国でもあり、これらの金属は航空宇宙産業や半導体産業で欠かせないものです。米国への輸出が大半を占める中、米国の関税がカナダ経済に深刻な影響を及ぼす可能性があるため、カナダは2025年までに非米国向けの輸出を50%増加させることを目指しています。
さらに、カナダはアジア太平洋地域への進出も計画しており、伍鳳儀氏は来週、オーストラリア、シンガポール、ブルネイを訪問する予定です。また、米国の併合の脅威に直面し、カナダのEU加盟の可能性についても議論が高まっています。EU条約では欧州国のみが加盟可能とされていますが、「欧州」の定義に関しては不明確であるため、カナダが加盟基準を満たしているとの意見もあります。
カナダ北極諸島に位置するエルスミル島がデンマークのグリーンランドに近接していることも、地理的条件を理由に挙げられることがあります。しかしながら、実際にはカナダのEU加盟には多くの障壁が存在しており、これは長期にわたるプロセスとなる可能性が高いです。現時点ではEUには9つの候補国があり、その中でもトルコは加盟を目指して20年以上も待機しています。